いなTの学級通信

生徒が作ってくれた人形のプロフィール画像にそっくりなもと中学校理科教師のブログです。

N中1994年度2年2組学級通信「わ!」から その26

 「わ!」がしばらくとんでいます。この間に信じられない出来事が起こりました。阪神淡路大震災です。幸いなことに甲子園辺りを境にして災害の程度が大きく違っていたため、N中の大半の生徒は余り大きな災害を受けずにすんだようです。(しばらくたって液状化によって家を失った子はいましたが・・・。)

 甲子園より少しだけ西に位置していた私のマンションは骨組みは残りましたが赤紙で全壊指定になり、しばらくして取り壊しになりました。この世の終わりかと思うようなゆれでした。居間のテレビがベランダに飛びだしたほどです。足を切って血がにじんでいてもその痛みさえ気がつかず、漂ってくるガスのにおいに、とりあえず近隣の人に声をかけてマンションの外に飛び出すことが精一杯でした。近くのアパートが燃え、一階が店舗の家はほとんどつぶれていて、落ちてきた家の屋根の上で飼い主を求めて鳴いている猫を見たとき、はじめて涙が止まらなくなったことを思い出します。その日からしばらく学校は避難所になり授業はできなくなりました。私の同僚には教え子をなくした人もいたのに、我がクラスの子は寝ていて気づかなかった子もいたくらいで、私は本当に恵まれていました。家族も犬猫たちもみんな無事でした。

 あれから25年がたってしまっています。理科の教師である以上、地球は活きているのだということを教え続けてきましたがなかなか災害から逃れるのは難しいことです。この先、どうなっていくのか、人間が自然に立ち向かう難しさをヒシヒシと感じています。

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